- 第1回
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ドクターヘリで結ばれた命
~受傷から退院までを振り返って~

事故によりドクターヘリで病院へ運ばれた患者さんの、受傷から退院までに関わった方々に集まっていただき、当時の状況を共有する会が、先日開催されました。この会は、患者さんを始め救助から治療を経て退院までに関わった人々がそれぞれの状況を振り返る中で、患者さんの命がどのようにつながっていったのかを知ることで、救命の連鎖の重要性やドクターヘリにおける救命活動の周知、また、同じような経験をした患者さんやご家族が、未来に向かって希望を持つことを目的としたものです。会には、患者さんのほか、ライフセーバー、救急隊員、フライトドクター、病棟担当医、ICU看護師、理学療法士など、15名の方が参加しました。それぞれの方が、事故現場やドクターヘリ、病院での状況や思いを語りました。
患者さんのHさんは、2023年8月に南伊豆でシュノーケリング中に水流に巻き込まれ、意識を失いました。ライフセーバーが人工呼吸と心臓マッサージを行い、船で浜へ向かいました。浜で救急車に乗り換え、救急隊員がHさんの救命処置を続けました。ドクターヘリではフライトスタッフが人工呼吸器や点滴などの処置を行いました。病院搬送後は集中治療室に入り検査や診療を受けました。Hさんは、病院での治療やリハビリに励み、事故から4日後には人工呼吸を離脱し、1週間後には退院することができました。
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Hさん
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患者さんから
ドクターヘリでの救助は、自分の人生に新しい意味や価値を与えたと話しました。Hさんは事故から意識を取り戻すまでの間に、多くの人が自分の命を救ってくれたことを知ることができ、感謝の気持ちであふれていました。そして、一人ひとりに感謝の気持ちを伝えました。
会では、ドクターヘリの見学も行い、参加者全員で記念写真を撮りました。Hさんが笑顔でポーズをとる姿からは、生きる喜びや希望が感じられました。
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大森医師
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フライトドクターから
救命に携わった方々がそれぞれの役割を果たし、患者さんの命を繋いでくれたことに感謝しました。また、病院での治療に携わる者の意識やモチベーション、チームワークの向上に繋がることを期待し、会の継続に意欲を示しました。話を聞くとともに、元気になった患者さんにお会いできることが非常に嬉しく、これからのやりがいに繋がります。
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