第3回

ドクターヘリで結ばれた命

~受傷から退院までを振り返って~

2023年9月大学生Aさんは、サークルの合宿で来ていた伊豆の海岸で離岸流に巻き込まれ意識を失う。偶然近くに居合わせた休暇中の消防隊員がすぐにAさんを浜へ引き上げ、Aさんの友人5人とともに心肺蘇生を開始し救急車を要請。救急車は事故の通報を受け出動。刻一刻を争う事案と判断し、出動と同時にドクターヘリを要請する。現場へ到着後、酸素投与開始。脈・意識ともに確認。救急車到着から13分後にドクターヘリへ受け渡し。

意識は少しあるも肩で呼吸をしており状態は悪い。病院へリアルタイムで状況を報告しつつ、点滴処置。身体全体に砂がついている。海水を多く飲んでいたため、右肺が炎症。集中治療室に到着後、シャワーで砂を洗い流す。酸素状態が悪く麻酔を投与し人工呼吸器をつける。人工呼吸器離脱後はリハビリを開始。酸素マスクを付けながら歩行練習を始める。集中治療室には合計で44時間滞在。一般病棟へ移ってからもリハビリを続行。自分のことがほとんどできるようになったため、介助はあまり行わずメンタル面のケアに注力。その後順調に回復。事故発生から1週間後に退院。

  • 大学生Aさん

    患者さんから

    参加を迷いましたが、救助してくれた皆さんにお会いして直接感謝の気持ちを伝えることができてよかったと思います。皆さんが自分の命の為に全力を尽くしてくれたことに本当に感謝しています。

  • 大森医師

    フライトドクターから

    患者さんの治癒後のアフターケアに関する側面も課題として見えてきました。今後もこの会をブラッシュアップしていき、より多くの場で発信し続けていきたいと思います。